歯のホワイトニングの懸念として「しみるような痛み」があります。
ここでは、歯のホワイトニングがなぜ「しみる」のかを解説していきます。
目次【記事の内容】
過酸化水素が原因
歯科医院で行うホワイトニングでは過酸化水素という薬剤を使用しており、過酸化水素がホワイトニング時に痛みを感じてしまう原因です。
歯は表面がエナメル質、内部が象牙質という2層構造となっておりますが、エナメル質に薬剤が塗布されても痛みを感じることはありません。
ですが、薬剤が象牙質を通過し、神経に達することで痛みを感じてしまうのです。
このメカニズムにより下記の場合によりホワイトニング時に痛みを感じてしまうことがあります。
高濃度過酸化水素を使用した場合
過酸化水素は通称オキシドールと呼ばれる薬剤です。
オキシドールは傷の消毒など、消毒液としても使用されています。
傷口に消毒液を垂らすとしみるような痛みを感じることがありますが、これと同じようなことが歯でも起こっているのです。
ですので、オキシドールの濃度が高ければ高いほど、漂白効果も高く、ホワイトニング効果も期待できますが、その分痛みを感じてしまうリスクも引き上がります。
エナメル質の厚さが薄い場合
エナメル質が薄い場合、薬剤が象牙質に達しやすく痛みを感じてしまうことがあります。
ホワイトニング大国として知られる欧米圏の人に比べ日本人はエナメル質が薄い傾向にあります。
ですので日本では、ホワイトニング効果は減弱してしまいますが、濃度の低い過酸化水素を用いてホワイトニングを行うこともあります。
虫歯の治療をした直後
虫歯治療によって歯を削り、象牙質が露出している場合はホワイトニングした際にしみてしまう可能性があります。
虫歯直後のホワイトニングは治療を担当した医師に相談をすると良いでしょう。
歯が欠けてしまっている場合
外的要因によって歯が欠けてしまっており象牙質が露出してしまっている場合があります。
その際、薬剤が象牙質から神経に到達してしまうことがあり歯がしみてしまう可能性があります。
歯がしみた際の対策はあるのか?
ホワイトニングで歯がしみてしまった場合、即座に痛みを除去できるような対策はありません。
薬剤が神経に到達してしまっていると、うがいをしても薬剤を流すことはできないため、ほとんどの場合で痛み軽減の効果を得ることができません。
ですが痛みが出てしまった場合はどうすれば良いのか、対処法をいくつか解説します。
ホワイトニングを中断する
痛みの原因となるホワイトニング中断し、かかりつけの歯科医院で相談すると良いでしょう。
一度痛みを感じてしまったら痛みが治るまで対象方法はないので、痛みが治るまで待ちましょう。
冷たいものを控える
冷たいものを食べたり、飲んだりすることによって歯への刺激となり、より強く痛みを感じてしまうことがあります。
一度痛みを感じてしまったら冷たい食べ物や飲み物は控えましょう。
痛みを感じないホワイトニングの方法とは
痛みを感じてしまったがどうしても歯をホワイトニングしたい場合は、低濃度の過酸化水素でのホワイトニングやポリリン酸ホワイトニング。
薬剤を使用せず、美容サロンなどでお客様ご自身で行なっていただくセルフホワイトニングがお勧めです。
低濃度過酸化水素
かかりつけの歯科医院にて、ホワイトニング時の痛みを相談してみましょう。
過酸化水素の濃度を下げて痛みを軽減できる場合があります。
ポリリン酸ホワイトニング
過酸化水素を使用したホワイトニングは一時的に歯が脱水状態となってしまい、乾いたスポンジのように外部の成分を吸収しやすくなってしまいます。
この歯の脱水状態が痛みの原因となりますが、ポリリン酸を使用することにより歯をコーティングし、脱水を防ぎながらホワイトニングを行うので痛みを軽減できる可能性があります。
セルフホワイトニング
美容サロンなどで行うことができるセルフホワイトニングでは薬剤を使用せず「酸化チタン」という溶液を用いてホワイトニングを行なっていきます。
薬剤を使用していないので痛みを感じる方はほとんどおらずストレスを感じることなくホワイトニングを行うことができます。
まとめ
ホワイトニングで歯がしみる場合、その原因のほとんどが過酸化水素であることが多いです。
ですので、痛みを避ける場合は
・ホワイトニングを中断する
・歯科医院にて最適なホワイトニングを提案してもらう
・セルフホワイトニング
これらの方法をお勧めします。