歯は人間の体の中でも最も硬い部分の一つです。
しかし、硬いとは言っても長年の経過によって少しずつ摩耗して減っていってしまいます。
人によっては、普通よりも速いスピードでエナメル質がすり減ることもあります。
では、一体どのような原因ですり減るのでしょうか。
目次【記事の内容】
酸蝕によってすり減る
歯がすり減る原因の一つに、酸蝕(さんしょく)というものがあります。
その名の通り、酸性の強い飲み物や食べ物をこまめに取ることにより、溶けてすり減っていくものです。
例えば、ワイン、栄養ドリンク、酎ハイ、野菜ジュース、飲むヨーグルトなどの飲み物や、梅干し、柑橘類、いちご、パイン、ドレッシングなどの食べ物は酸性度が高くなっています。
酸性度の高い食べ物や飲み物を普段から好んで摂っている方は、酸蝕によるすり減りに注意した方が良いでしょう。
対策としては、酸性の強すぎるものは摂らない、ジュースを飲むときは葉に直接飲み物が当たらないようにストローを使う、食後30分以内にブラッシングをする、などがあります。
そのほかに、逆流性食道炎や摂食障害なども酸蝕の原因の一つです。
胃液を嘔吐することによって、エナメル質が溶けてしまうのです。
これらの疾患にかかっている方は、デンタルケアにも気をつけなければなりません。
咬耗によってすり減る
すり減る原因の中でも多いのが、咬耗(こうもう)です。
これは強く食いしばったり、歯ぎしりをしたりする事によって、こすれ合いすり減ってしまうものです。
食いしばりは無意識にやっている事が多いので、実際に影響が出始めることによって初めて自分が無意識に食いしばり気味だと気がつく方も多いようです。
食いしばる原因としては、単なる癖だったり、ストレスや胃痛が原因だったりします。
ストレスに耐えようとして、自分でも知らないうちに歯を食いしばってしまうのです。
また、飲酒や喫煙などの習慣があると睡眠が浅くなり、眠っている間に歯ぎしりをしてしまう事があります。
顎の筋肉のバランスが悪かったり、噛み合わせが悪い方も、食いしばりがちになったり、すり減りやすかったりするようです。
歯ぎしりや食いしばりに悩んでいる方は、30代、40代と、年齢が上がるにつれて増えていくとも言われています。
これらはデンタルに悪影響を与え、すり減らすだけでなく、頭痛や肩こりの原因にもなりますので、心当たりのある方は一度専門の科を受診してみると良いでしょう。
専門の科ならばすり減る原因を特定してくれますし、治療もできます。最も効果的な治療法はマウスピースです。
自分の型にぴったりと合うオーダーメイドのマウスピースを作るもので、睡眠中の食いしばりなどを防いでくれます。
市販のものはぴったりとは合いにくく治療には不適切なので、あまりおすすめできません。
摩耗によっての影響について
意外と盲点なのが、ブラッシングによってすり減る、いわゆる摩耗(まもう)です。
硬いブラシを使って過度に力を入れてブラッシングをしたり、強い研磨剤の入った磨き粉をつけてブラッシングを続けたりすることで、汚れだけでなく、表面を覆っているエナメル質に傷をつけてしまうのです。
ブラッシングはとても大切ですが 、力を入れすぎないよう正しいブラッシングをすることが必要です。
まとめ
このように、歯がすり減る原因には様々なものがあります。
最近すり減ってきた、小さくなったと感じている方は、自分の生活習慣や癖などをじっくりと考え、見返してみた方が良いでしょう。
ただし、これらの原因は自分では気付きにくかったりもするものです。
不安な場合は、周囲の人に客観的な視点で見てもらったり、歯科を受診して医師の診断を仰ぐのがおすすめです。