暑い食べ物を食べたときや、冷たい飲み物を飲んだ時、あるいはブラッシングでブラシを歯に当てた時、急に痛みが走ったり、しみてしまったことはありませんか?
普段はなんともないのにそのような時だけ痛みがあるのは、実は知覚過敏と呼ばれるものなんです。
目次【記事の内容】
知覚過敏がどうやって起こるのか
知覚過敏は、何らかの原因で表面を覆っているエナメル質が傷ついたり、削れてしまったりすることから始まります。
エナメル質が傷つくと、中にある象牙質の部分が露出してしまいます。
象牙質には歯髄と呼ばれる神経組織につながっていて、 ここに熱いものや冷たいものが触れるとその刺激が神経へと伝わり、痛んだりしみたりという症状が出てくるのです。
また、歯茎の間に隙間ができたりしても、知覚過敏は起こります。
根元の部分には神経へと通じる歯髄が入っています。
ここが刺激されると、知覚過敏が起こってしまう原因になるのです。
エナメル質が傷つく原因とは
なぜエナメル質に傷がついてしまうかと言うと、原因は様々です。よくあるのは、酸の強い食べ物や飲み物の取りすぎです。
ワイン、オレンジジュース、コーヒーなどの飲み物や、梅干し、酢の物、果物などを毎日たくさん取っていると、それらに含まれる酸によってエナメル質が溶けてしまうのです。
それから、磨きすぎも大きな原因としてあげられます。
硬いブラシを使い、強い力を入れてゴシゴシとこすると、目に見えない小さな傷がたくさんついてゆきます。
そうしてだんだんとエナメル質が削られ、すり減っていってしまうのです。
また、かみ合わせの悪さも、時に知覚過敏を引き起こします。
眠っている間や、仕事をしているときなどに、無意識に食いしばったり歯ぎしりをしてしまう方は意外とたくさんいます。
摩耗によってこすれ合ったり、強い食いしばりによってヒビが入ってしまって、象牙質が露出し、過敏となってしまうのです。
歯周病も、過敏の原因の一つです。
歯槽膿漏によって腫れたり、血が出たりすると、やがて根本の肉が痩せてゆき、ポケットと呼ばれる隙間が開いていってしまいます。
その隙間に食べ物や飲み物などが触れると、神経へ刺激が伝わり、知覚過敏として痛みが発生します。
これは年齢とともに発生のリスクが高まる病気ですので、早めにケアをされるようにしましょう。
放置するとさらに重篤になる可能性がありますので、痛みがなくても異常を感じたら早めのケアがポイントです。
知覚過敏を防ぐ・治療するためには
過敏は、進行すると虫歯の原因にもなってしまいます。
それを防ぐには、まず正しいブラッシングをすることが大切です。
強くこすりすぎず、磨き残しの無いように丁寧に磨かなくてはなりません。
強い研磨剤を使ったブラッシング粉も、エナメル質を削ってしまうので避けたほうが良いでしょう。
歯ぎしりや食いしばりをしている恐れがある方は、専門医でマウスピースを作るのがおすすめです。
無意識の食いしばりによって摩耗する、傷つくのを防いでくれます。
痛みが強い場合は、すぐに専門医で治療を受けましょう。
露出した象牙質を溶剤などでコーティングすることで保護し、過敏の症状が起きるのを抑えることができます。
レーザー治療などもありますが、保険適用外になりますので、専門の医師と相談の上で行いましょう。
まとめ
知覚過敏は放っておいても改善されることも多く、つい放置しがちな症状ですが、それでは根本的な解決になりません。
痛みが長引いたり、繰り返したりする場合は、すぐに専門医を受診すると良いでしょう。
その後、再発しないように予防をすることも大切です。
日々のブラッシングや生活習慣の見直しをして、健康を保つようにしましょう。